2010年12月19日日曜日

中国の石油株:国家プロジェクト「西気東輸」の展望

中国の石油株:国家プロジェクト「西気東輸」の展望

中国株の特徴は、全人代レベルの国家プロジェクトに大手企業が集中することである。
中国の石油株も国家プロジェクトの下、
3社メジャー体制、
クリーン・エネルギー政策、
西気東輸が市場の注目するところとなっている。



*中国政府が1998年石油メジャー3社体制を構築
1.1998年までの中国石油業界
原油生産を行う上流部門と精製・石油化学を担う下流部門に産業を分割担当、
*上流部門は中国石油天然気総公司(CNPC)、中国海洋石油総公司(CNOOC)、中国新星石油公司(CNSPC)3社体制
*下流部門は中国石油石化工総公司(SINOPEC)

2.新中国石油メジャー3社体制
中国政府は石油業界を分野別に再編、それぞれが川上、川中、川下を担当する縦割体制へ。
中国石油天然気総公司(東北、華北、華西地区の石油化学設備旧SINOPECから譲り受け)
中国海洋石油総公司(海洋石油開発)
中国石油石化工総公司(勝利油田などを旧CNPCから譲り受け)
以上のメジャー3体制。
再編により米国、日本で一般の上流・下流産業段階での担当区別はなくなり、地域毎の縦割り分業業務。
*クリーン・エネルギー政策を徹底実行
1993
年に原油の輸入国へ転じ、1996年石炭消費より原油消費が多くなり、2002年に日本の原油消費量を追い越した。
米国の原油消費量に追いつくのも間も無くと予測されるが、環境問題に対し、積極的な天然ガスへの転化が環境規制が厳しい沿岸地域を中心に図られる。
 
*注目の国家プロジェクト「西気東輸」
西気東輸とは、新疆タリム盆地の天然ガスを上海までパイプライン運ぶ計画。
ガスパイプライン新疆タリム盆地から上海へと続く総延長4000km2005年全線開通
タリム盆地周辺の、天然ガス埋蔵量は現在確認5267億立方メートル、
採掘可能量は3725立方メートル、
年間供給量を120億立方メートルとすると、30年間、安定供給が可能
総投資額は1400億元(約22400億円、中国石油天然気が権益の50%を確保

参考:中国株の紹介サイト



*主な中国の石油株
1.              中国石油天然気:香港0857(ニューヨーク市場上場、中国の石油最大手、海洋石油の開発進出)
2.              中国石油化工:香港0386(中国石油最大手の一つ。北京燕化石油(香港0325)など香港上場5社に出資している。20049月の上海F1では冠イベント権を獲得している。香港、ニューヨーク、ロンドン、上海の4市場に上場)
3.              中国海洋石油:香港08832001年に中国海洋石油総公司の子会社として香港とニューヨークに上場。渤海湾、南シナ海西部、同東部、東シナ海など4海域で事業を展開し、オーストラリアやインドネシアへ進出)

0 件のコメント:

コメントを投稿