2011年1月9日日曜日

中国政府:米国系商品デリバティブ取引に制約し、損失抑制措置

中国政府:米国系商品デリバティブ取引に制約し、損失抑制措置

中国当局が国有企業のデリバティブ取引を調査、損失抑制に法的措置促す

 [北京 7日 ロイター] 中国の国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)は7日、一部国有企業の原油オプション取引について調査しており、国有企業に対して被る可能性のある損失を最小限に抑えるため法的措置を取るよう促していることを明らかにした。
 SASACは声明で、一部の国有企業はすでに取引相手に書簡を送り、一部の原油デリバティブ契約を履行しない権利を留保することを通知したことを確認した。「特定の(原油仕組みオプション)取引の内部調査が現在進んでおり、(一部企業は)契約を履行しない権利を留保すると(書簡は)伝えている」とした。SASACはまた「商業活動において企業が当然の権利を守るために法的手段を講じることは通常のことで、SASACは状況を注視し慎重に支援する」としている。さらに、交渉などを通じて企業が損失を最小限にすることを支援するとともに、訴訟を起こす権利を留保している、としている。
 商品デリバティブを扱うゴールドマン・サックス(GS.N:)、モルガン・スタンレー(MS.N:)、JPモルガン・チェース(JPM.N:)などからのコメントは得られていない。 シンガポールに拠点を置く銀行の関係者は先週ロイターに対して、中国国際航空60111.SS(0753.HK:)、中国東方航空(600115.SS:)、中国遠洋(チャイナCOSCO)(1919.HK:)の3社が書簡を送っていることを明らかにしていた。 中国誌の財経は8月29日、SASACが外資系金融機関6社に対し、国有企業はデリバティブ契約のデフォルトの権利を留保しているとの書簡を送ったと伝えた。この報道を受け、金融機関の間では、国有企業が商品のデリバティブ取引の損失を一方的に逃れることを容認するという前例を作ることになるとし、動揺が広がっていた。

2011年1月6日木曜日

中国メジャー3社体制の中で中国海洋石油(CNOOC):シェルの2倍規模に成長

中国メジャー3社体制の中で中国海洋石油(CNOOC):シェルの2倍規模に成長

中国海洋石油は、ペトロチャイナ、中国石油化工(シノペック)を上回る業績を上げた理由として、中国海洋石油は原油を燃料に転換しておらず、燃料について政府が定める上限価格の制限を受けていないことを挙げた。3社メジャー体制の中で、同社が更に抜きん出た。

以下、ブルームバーグ報道記事

8月16日(ブルームバーグ):中国最大の沖合石油生産会社、中国海洋石油(CNOOC)は1-6月期決算で、ペトロチャイナ(中国石油)や英・オランダ計ロイヤル・ダッチ・シェルの2倍余りとなる増益幅を達成する可能性がある。工場向けや農業用のディーゼル油の需要に対応するため、原油販売量が増えたことが寄与したもよう。
  ブルームバーグがまとめた6人のアナリスト予想(中間値)によると、純利益は前年同期比85%増の230億元(約2900億円)となったもようだ。UOBケイ・ヒアン(大華継顕)のアナリスト、王傲超氏(上海在勤)は、中国海洋石油の業績がペトロチャイナや中国石油化工(シノペック)を上回る理由として、中国海洋石油は国内大手競合会社のように原油を燃料に転換しておらず、燃料について政府が定める上限価格の制限を受けていないことを挙げた。
  中国海洋石油の傅成玉会長は今年、生産量を最大28%増やすためにアルゼンチンの石油会社ブリダスの株式31億ドル(約2670億円)相当を取得し、海外での石油・天然ガスの権益をオーストラリアやアフリカ、東南アジアからそれ以外の地域に拡大した。米石油会社エクソンモービルは2010年の生産の伸び率を最大4%と予想しているのに対し、シェルは昨年と同程度を見込んでいる。
  UOBケイ・ヒアンで中国のエネルギー調査責任者を務める王氏は、「中国海洋石油が同業他社との比較で際立っている点は、力強い生産の伸びだ」と指摘。「毎年生産量25%増を実現するのは難しいが、同社は15年までは毎年10%増を予想しており、目覚ましい数字だ」と語った。また、中国の沖合原油・天然ガス田の大半がまだ未開発であることを理由に、生産目標は達成可能だとの見解を示した。
  中国海洋石油は1-6月期決算を19日に発表する予定。アナリスト15人の予想中央値では、原油価格上昇で通期利益は48%増の438億元と見込まれている。
シェルの1-6月期純利益は35%増だった。ブルームバーグのアナリスト9人の予想では、ペテロチャイナの1-6月期の利益は36%増の見通し。

2011年1月1日土曜日

中国の石油株の動向

中国の石油株

中国政府はインフレ懸念から金利の引上げを決定した。(2010.12)
産業の牽引役は、銀行、石油資源、鉄鋼、自動車、インフラ建設であり、外人投資家の多いのも特徴である。
香港市場は外国投資家、上海市場は中国人投資が多いと言われるが、石油株の中心は香港市場である。
【香港市況】原油高で石油株上昇2010.12.30 05:00サンケイBIZ
 29日の香港株式市場は反発。原油高を受けて石油株が買われたほか、増益見通しで銀行株も値上がりした。
*中国海洋石油(883 HK)は前日比2.6%高。
*ペトロチャイナ(中国石油天然気、857 HK)は2.3%高。
*中国建設銀行(939 HK)は2.4%の値上がり、
*交通銀行(3328 HK)は1.7%高。
中国中鉄(390 HK)は、中国で総資産最大の建設会社、16のプロジェクト受注発表が好感され、1.8%高。
BEAユニオン・インベストメント・マネジメントの調査マネジャー、スティーブ・ツェ氏は、
石油など資源株は「季節要因で選好されている」とし、銀行株については「当局の引き締め策を考えると、
2011年には影響を受ける公算が大きい」と述べた。

ハンセン指数は、前日比347.57ポイント(1.5%)高の22969.30。ハンセン中国企業株(H株)指数は1.6%高の12508.52。(ブルームバーグ)


特に石油株と新エネルギー開発分野での注目株について  :サーチナのアンケート調査。)

「世界金融危機からの回復が著しい中国株式市場の今後について、サーチナは中国株式市場に詳しい専門家に対し、5月下旬に緊急アンケート調査を実施した。「中国株の今後を読み解く」というテーマで、株価指数の予測レンジと注目セクター、注目銘柄を聞いた。」以下引用

*中国海洋石油(00883)
  中国海洋石油が有望と考える最大の理由は、将来的に世界の原油は足らなくなり、原油価格は上昇していくと考えるからです。不景気は続いているものの、石油は生活必需品でもあり、消費量がなくなることはありません。
  IEAでは今年の世界需要を先日さらに日産27万バレル(1バレルは酒樽約一つ)下方修正して同8442万バレルとしましたが、2月の世界生産量は日産8390万バレルまで落ち込み、すでに需要量を下回り始めていますので今後は形勢逆転も近いかもしれません。
  次に国際石油価格に最も影響を及ぼす中国は、現在世界で最も不況のダメージが小さく、かつ最も早く不況を脱する国と思われます。この先どこかで中国の原油需要が回復してくれば、一度縮小した供給設備をすぐにフル稼働することはできず、需給は引き締まります。
  前回これが起こったのが2000年前半以降の新興国の急成長とそれに追いつけない石油設備体勢だったのです。結果、当時の原油価格は30ドルから147ドルまで行くことになりました。実際、4月の中国原油輸入量は、前年同期比で13.5%増と急回復しています。
  中国三大石油大手3社を比較すると、中国海洋石油は規模の面では遥かに小さいのですが、最も良いバランスシート内容を持っていると言えます。売上の8割以上が利益率の高い川上部門から来ており、2008年は原油高でROEは29.3%と突出して高い水準です。財務優良ゆえに今年の設備投資額も2008年は18.7%増となっており中国3社の中でも際立ちます。2009年も31.3%増と大きく増加させる予定で、世界的にも例のないような超強気姿勢です。
  ただ、2009年の原油価格は2009年の約半分の水準で推移しているために、2009年の利益成長率は3社の中でも最も激しい下落率となります。2009年は大幅減益予想になりますが、原油価格が長期的に上昇していくと強気に予想するのであれば、最も恩恵の受ける石油会社と言えるでしょう。
*天能動力(00819)
  天能動力は現在中国の電動自転車用バッテリーを製造する最大手です。同社は1986年に電池工場として中国浙江省で起業、2007年6月に香港市場に上場しました。現在までに5つの電池工場を持っており、浙江省に3軒、安徽省に1軒、江蘇省に1軒があります。
  現在の同社のビジネスは電動式自転車向けのバッテリー製造に集中しており、全社売上の97%の占めるものとなっています。2007年年末までの動力用鉛酸電池の生産能力は年2000万個でしたが、2008年は3100万個、2009年は4100万個まで拡大すると見込まれています。
  日本では電動自転車なんていうと、「?」と思ってしまうかもしれません。日本で電動自転車が拡大しない大きな理由の1つはズバリ価格です。日本で電動自転車といえばブリジストンや宮田などの自転車メーカーから、三洋電機やパナソニックという電池の有力企業も参入しており、価格は7~10万円超までバラエティーに富み、一般にはスクーターと変わらないほど高価な商品です。これは搭載している電池(バッテリー)が最先端で高価なリチウムイオンであることが大きな要因の1つです。ところが中国の電動自転車が搭載しているバッテリーは鉛酸電池(バイクやガソリン車に搭載されているものと同じ)が9割以上です。このため販売価格も1万円前後と安価で、中国で電動自転車が爆発的に普及する要因の1つとなっています。同社は中国電動自転車用電池市場の22%のシェアを占めています。
  今後も市場の発展とともに電動自転車用鉛蓄電池は順調に販売が伸び、同社のメインビジネスであり続けるのは変わりありません。また、このバッテリーは約3年で寿命が来ますので、新規需要だけなく、今後定期的に買い替え需要も増してくると思われます。
  天能電力の張主席は今後5年間、中国電動自転車市場の平均成長率が約11.7%になると予想しています。成長する市場ニーズを満たすために、天能動力は鉛酸電池の生産能力を2008年の3100万個から2009年の4100万個までに拡大させ、2010年に市場シェアを25%~30%まで拡大させる計画です。(執筆者:戸松信博 グローバルリンクアドバイザーズ株式会社)