2010年12月31日金曜日

2010 中国資本の日本企業買収活発化: 中国との貿易政策のスタンス

中国資本の日本企業買収活発化
中国の経済成長が進み、工業国から金融大国への政策が採られている。農業(毛沢東の国策による農業の成功)、と鄧小平以降の工業化路線では実需による産業発展という経済基礎が確立すると、仮需要・投資を中心とした金融大国への政策路線を採るようになった。
米国では90年代より産業が海外移転し資本が国内から海外逃避するようになると、海外のドル、ユーロダラー・オイルダラーなどを追求して米国の銀行の海外オフショア取引が活発化、グローバル化の進展に沿って国際金融市場でのドル取引に海外企業投資を呼込み、金融工学による様々なファンド、金融商品が生み出された。GS(ゴールドマンサックス)、CS(クレジット(クレディ)スイス)などの金融デリバティブ商品の海外オフショア取引による米国金融機関の海外利益は、米国製造業の利益を上回る。
但し、これら米国金融機関の投資行動はドルの信用に基づく利益(または損失)であり、ドルとリンクする米国以外の各国通貨に大きな影響(多くの場合、負の影響)を与えてきた。
一方、信用力を付けてきた人民元は、さらにアジアの国際共通通貨としてシンガポール石油市場でも売買通貨として利用されるようになった。石油とリンクする通貨ではドルに次ぐ信用を確立しつつある。対日貿易でも、中国側では人民元の収支の比率が大きくなってきた。

2010年、中国の日本株・企業買収では以下のような動向があった。
1.山東如意科技集団によるレナウンの買収
2.比亜迪(BYD)の金型大手オギハラの館林工場買収
3.OD05・オムニバスチャイナトリーティーファンドの三菱UFJフィナンシャルグループ、NTT、ソニー他三十数社の大株主化。
4.日本国債への大量投資
特に上海系ファンドの日本向け投資は、北海道林野等、不動産投資へ向かっている。
ヒルファーディング「金融資本論」では、産業発達の最終段階で、金融業の産業支配を論じ、仮需要の拡大が投資を呼び、投資により産業が生産を止め、すでに第二次大戦前に、国家利益が一企業の投資行動により撹乱される状況を論じる。
これまで大国、米国動向に影響を受けてきた日本であるが、第二の米国、中国との関係では、かなりの政策論議とスタンスが必要になる。

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