2010年12月31日金曜日

2010 中国資本の日本企業買収活発化: 中国との貿易政策のスタンス

中国資本の日本企業買収活発化
中国の経済成長が進み、工業国から金融大国への政策が採られている。農業(毛沢東の国策による農業の成功)、と鄧小平以降の工業化路線では実需による産業発展という経済基礎が確立すると、仮需要・投資を中心とした金融大国への政策路線を採るようになった。
米国では90年代より産業が海外移転し資本が国内から海外逃避するようになると、海外のドル、ユーロダラー・オイルダラーなどを追求して米国の銀行の海外オフショア取引が活発化、グローバル化の進展に沿って国際金融市場でのドル取引に海外企業投資を呼込み、金融工学による様々なファンド、金融商品が生み出された。GS(ゴールドマンサックス)、CS(クレジット(クレディ)スイス)などの金融デリバティブ商品の海外オフショア取引による米国金融機関の海外利益は、米国製造業の利益を上回る。
但し、これら米国金融機関の投資行動はドルの信用に基づく利益(または損失)であり、ドルとリンクする米国以外の各国通貨に大きな影響(多くの場合、負の影響)を与えてきた。
一方、信用力を付けてきた人民元は、さらにアジアの国際共通通貨としてシンガポール石油市場でも売買通貨として利用されるようになった。石油とリンクする通貨ではドルに次ぐ信用を確立しつつある。対日貿易でも、中国側では人民元の収支の比率が大きくなってきた。

2010年、中国の日本株・企業買収では以下のような動向があった。
1.山東如意科技集団によるレナウンの買収
2.比亜迪(BYD)の金型大手オギハラの館林工場買収
3.OD05・オムニバスチャイナトリーティーファンドの三菱UFJフィナンシャルグループ、NTT、ソニー他三十数社の大株主化。
4.日本国債への大量投資
特に上海系ファンドの日本向け投資は、北海道林野等、不動産投資へ向かっている。
ヒルファーディング「金融資本論」では、産業発達の最終段階で、金融業の産業支配を論じ、仮需要の拡大が投資を呼び、投資により産業が生産を止め、すでに第二次大戦前に、国家利益が一企業の投資行動により撹乱される状況を論じる。
これまで大国、米国動向に影響を受けてきた日本であるが、第二の米国、中国との関係では、かなりの政策論議とスタンスが必要になる。

2010年12月29日水曜日

中国の銀行制度: 日本からの進出で利用できる中国の地方銀行

中国の銀行制度

中国の銀行制度は、ほぼ国営銀行であり、中央銀行を中心に政策銀行、商業銀行を従えた典型的なピラミッド形態を形成している。
(中国金融システム)
先ず中央銀行:中国人民銀行が人民元の発券銀行であり、金利政策、国債発行などオペレーションを中心の業務としている。その下に政府政策の実施を担当する政策銀行3行、国家開発銀行、中国輸出入銀行、中国農業発展銀行が、中央銀行の決定した政策金融を担当する。特に中国で民間経済で大きな働きをしているのは国有商業銀行である。その大きな理由は、外国企業が金融取引、特に貿易の場合の外為取引を行うにはこれら国有商業銀行としか、取引が出来ないからである。

(国有商業銀行)
中国工商銀行は世界フォーブス・ランキング2位(2009年)の巨大銀行、中国建設銀行、為替業務専門銀行の中国銀行、そして中国農業銀行(農業金融のみであるが農業分野へは外資規制がある)、また交通銀行、中信実業銀行、華夏銀行、中国光大銀行、また中国民生銀行など。またこれら中央都市銀に対し、地方銀行群、上海浦東発展銀行、復建興行銀行、広東発展銀行、海南発展銀行などが多く存在する。

WTO加盟以降は外為取引も大幅緩和化)
外資系企業は、中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行の3行と主に取引することになるが、これら3行で中国の外為取引は70%以上を占めるほど、取引が集中化している。
 外貨預金は、原則として進出した都市でしか出来ない。また日本の銀行(大都市部にはほぼ進出)の支店の無い都市でもこれら中国の地方銀行で外為取引は可能である。「人民元の借り入れ」「人民元預金」なども中国地方銀行で可能である。

2010年12月25日土曜日

中国石油政策と中国石油天然気集団公司

中国石油政策と中国石油天然気集団公司
      香港H株:0857   本社:北京市東城区安徳路16号
  URL:http://www.petrochina.com.cn  従業員数:419415人
  H株上場  2000年4月7日
      発行価格  1.27HK
      流通H株  1758.242百万株 10.0%
      主要株主  中国石油天然気集団公司 90%

中華人民共和国の国有企業であり、原油・天然ガスの生産と供給、および石油化学工業製品の生産・販売において中国最大の規模を誇る会社である。新セブンシスターズの一社。英語名 China National Petroleum Corporation 。略称 中国石油集団・CNPC。

中国石油業界大手3社の一角;中国では1998年に石油業界の再編が行われ、大手2社がそれぞれ上流、下流部門をもつ一貫操業体制が敷かれている。ペトロチャイナは現在は別会社である。

中国国内では中国東北部や華北、新疆ウイグル自治区などに大型油田・ガス田、
および各地に大型石油化学工場を保有。中国の陸上油田・ガス田が北部に集中していることもあり、原油・天然ガス生産でのペトロチャイナのシェアは、再編後も6割強を維持している。この再編の結果、両者の事業区域は中国石油が中国北部、シノペックが中国南部とほぼ南北に分かれている。

CNPCは事業再構築の過程で、中国国内の資産や事業のほとんどを中国石油天然気股份有限公司
(ペトロチャイナ)に分割・民営化した。

(株式情報)
ペトロチャイナは2000年に香港証券市場およびニューヨーク証券市場に上場したが、
CNPCはペトロチャイナの株式の90%を保有している。香港H株の代表的銘柄
ペトロチャイナは原油と天然ガスの生産にかけては中国最大の企業で、シノペック(0386)と双璧をなす中国を代表する石油関連グループで、その事業内容は、採掘から石油化学製品の製造・販売まで、石油・天然ガス業界の川上から川下まで幅広く手がけている。特徴として、シノペックが石油化学製品などの川下分野に強いのに対し、ペトロチャイナは採掘などの川上分野に強みがあると言われる。

(パイプライン建設が国家プロジェクト・GSを2社で市場独占)
中国インフラ整備事業としては、山峡ダム水力発電プロジェクトに次ぎ、2番目の大型国家プロジェクトで、投資総額は約1兆円に達する、『西気東輸』プロジェクトの天然ガスは、ガスの価格に比べ約半分の値段で調達できる。
ガソリンスタンド事業は、ペトロチャイナとシノペック(0386)の独占状態で、2社だけが中国での新しいガソリンスタンドを開設する権利。
ペトロチャイナの部門は、原油採掘部門、原油精製部門、化学品製造部門、天然ガス部門、その他部門の5つに分けらるが、売上げの内訳は、石油精製部門が60%以上に及ぶものの、利益のほとんどは原油採掘分門が占めており、石油精製部門は赤字です。。
よって、ペトロチャイナの業績は国際的な原油価格によって左右されるという体質となっている。
(石油権益)
中国で埋蔵が確認されている原油の75%(110億バレル)、天然ガスにおいては71%(32兆立方フィート)で独占採掘権を得ている。

財務諸表
       売上高(百万RMB)        営業利益        純利益  総資産(百万)   純資産(百万)  
    総発行株式(百万株)        株価HK  配当    EPS    BPS 
1998年  147,287        35489          15218          315083  78133   175824  1               0.09             0.44     
1999年  181,671 23.34   46487   30.99   26423   73.63   411285  210411  175824  1.2             0.15        73.63   1.20    169.30
2000年  245,279 35.01   85433   83.78   54645   106.81  428080  272957  175824  1.5       
    0.08    0.31        106.81  1.55    29.73
2001年  241,320 -1.61   71139   -16.73  45469   -16.79  462665  290606  175824  1.59   
    0.05    0.26        -16.79  1.65    6.47
2002年  244,424 1.29    72341   1.69    46910   3.17    483149  316676  175824  1.77   
    0.06    0.27        3.17    1.80    8.97

       ROA     ROE     PER     PBR     EBRR    株主資本比率     売上高純利益率   売上高営業利益率 営業CF         投資CF  財務CF  フリーCF 現金の増減       現金相当物残高
1998年         19.48   11.55   2.25           24.80   10.33                                                      15109
1999年  6.42    7       7.99    1.00    1.14    51.16   14.54   25.59   54053          -
    40418  -10896        13635   2739    17848
2000年  12.77   20.02   4.83    0.97    0.23    63.76   22.28   34.83   128849  138.38  -
    60401  -43556        68448   212     18060
2001年  9.83    15.65   6.15    0.96    0.38    62.81   18.84   29.48   111243  -13.66  -
    61491  -29906        49752   -6958   11102
2002年  9.71    14.81   6.63    0.98    0.44    65.54   19.19   29.60   122004  9.67    -
    71662  -27829        50342   -1150   9952


売上高営業利益率は29%、売上高純利益率は19%と、利益率が高いビジネスを展開している。


中国株(香港市場)

石油関連銘柄
0857    石油・石炭       ペトロチャイナペトロチャイナ     
0386    石油・石炭       シノペックコーポ中国石油化工     
0883    石油・石炭       中国海洋石油(CNOOC)CNOOC Ltd.   

(ペトロチャイナ(中国石油天然ガス集団)の海外事業展開)
久々に日の丸油田を獲得か、と報じられたのが、イラク南部にある大型油田「ナシリヤ油田」の開発権益。
イラクは復興資金獲得のため、約40年ぶりに国内の油田・ガス田開発を外資に開放、入札を行っていた。
日本勢は新日本石油ら3社連合で、イタリアの炭化水素公社、スペインの資源大手と権益獲得争いを繰り広げたという。
この「権益」とは何か。石油もそうだが、金属など資源の開発には莫大な費用がかかる。
そこで先進国の企業などが資源国の開発事業に加わり、その出資比率などに応じて産出された資源を引き取ったり、配当金を得たりする仕組み「権益」が生まれた。日本を含めた先進国は、
権益を求めて厳しい競争を繰り広げてきた。特に昨今、ドルを中心とした外貨の蓄積という資本力をひっさげて、中国の台頭が著しい。
 こうした権益の入札によってどんなことが決まるのか。6月末に入札されたイラク・クウェート国境近くに位置する「ルメイラ油田」の情報がある。推定埋蔵量170億バレルとイラク最大のこの油田。落札したのは、石油メジャーの一角、イギリスのBPと中国石油天然ガス集団(ペトロチャイナ)の連合体。契約期間は20年間。鉱区取得費として5億ドル(約450億円)を支払うが、投資コストを回収した後は、1バレルあたり2ドルの報酬が得られる。1日の生産量110万バレルを85万バレルに引き上げ、毎日570万ドル(約5億円!)の収益が保証されることになるという。

これほどの利益だけに、熾烈な競争は当然。では、何が落札を左右するのか。入札額はさることながら、
副次的な周辺支援も重要なポイントだ。冒頭の案件でも日本勢は、油田開発だけでなく製油所や発電所の整備、
資金協力などもパッケージしていたとされる。そしてここで中国が強いのは、油田開発に必要な労働力を安価な
人件費で輸出できること、なのだという。なるほど他にない切り札が中国にはあるのだ。イラクでの入札は、まだ今後も続く。
(リクルートR25資料より)




中国のパイプライン・プロジェクト(アジアインフラストラクチャー総合研究所) 

 1.中国国境~中央アジアへの石油輸送

 中国はカザフスタンにあるニつの油田の原油掘削権(註1)を取得しており、すでに採掘を開始している。現在、年間約100万トンほどが鉄道輸送を通じて、輸入されている。カザフスタンから中国の新彊までの石油パイプラインの全長は約3,000kmほどあり、コスト的に高い。今後、石油の輸送量の増加にともない、パイプラインの建設も浮上することと見られる(註2)。

 一方、最近になって中国石油化工集団公司は、カザフスタン対岸のアゼルバイジャンにある「ピルサガト」油田の権益50%を取得した(2003年6月)。確認埋蔵量は約700万トンと中規模油田であるが、中国企業の同地域における存在感が高まっている。

    カスピ海の油田地帯
 (註1:中国の石油大手2社は2003年3月に、カスピ海北部の巨大油田「カシャガン」(推定埋蔵量380億バレル=左記地図参照)に、英ガス大手の「ブリディシュ・ガス」(BG)がもつ権益(16.7%)を買収することで合意した。しかし、この合意はまだ確定したわけではなく、他の参加各社は5月まで、中国2社の買収を阻止できる権利をもっている(註1‐1)。)

 (註1‐1:中国の石油大手、中国海洋石油はカザフスタンの油田権益の一部を英ブリティシュ・ガス(BG)グループから買収する計画を断念した。油田の他の株主がBGの権益を購入することを決定したため。米エクソンモービルや英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、イタリア炭化水素公社(ENI)など既存株主6社が中国海洋の参入に反対した。株主がもつ株式優先購入権を行使する。カスピ海北部油田プロジェクトは、2006年を目処に原油と天然ガスの生産を始める。)

 (註2:今のところ、当初予想されていた中国・新彊のタリム盆地(参照:「タリム盆地の石油・ガスパイプライン網」)からの石油産出が期待されたほどではなかったため、カザフスタンからのパイプラインの敷設は、実行されない可能性が高いとの指摘がある(註2-1)。しかしその一方、タリム盆地における天然ガスの産出は予想の域ということもあり、「西気東輸」プロジェクトが現在、進行中である=参照:本欄「西気東輸プロジェクトの進展」)。

 (註2-1:中国国営の石油天然ガス集団公司(CNPC)とカザフスタンのカズムナイガスは、カスピ海沿岸の原油を中国に輸出する大規模パイプラインの建設を促進する合意文書に調印した(2003年6月3日)。今回の合意文書に基づき、CNPとカザフスタン側は採算性を考慮しつつ、具体的な建設計画づくりに着手する。同計画は両国間で1997年に原則合意したが、採算にのるには年間2,000万トン以上の輸送量が必要とされ、カザフ西部の都市アティラウまで一部区間だけが建設済みであった。今回はこのアティラウから北西部のケンキャク〔約450km〕までの区間を優先して進めることで合意した〔なお、この区間のパイプライン敷設工事は2003年3月に完成している〕。また2003年5月には、次ぎの段階として、カザフスタン中部のアタスから中国側国境のアラシャンコウ(阿拉山口)までのパイプライン建設プロジェクトに着手した。)


 【中国ーカザフスタン、パイプライン建設で調印】

 中国石油天然ガス集団(CNPC)とカザフスタンの国有石油ガス会社・カズムナイガス社は、カザフスタンのアタスから中国の新疆・阿拉山口までの石油パイプライン建設(第2期工事、全長1,240km)に関する協議書に調印した(なお第1期工事区間のアティラウ~ケンキヤク間(450km)はすでに2003年3月に完成)。2004年8月に着工し、完成時期は2005年12月の予定。初年度の原油輸送能力は年間1,000万トン。このパイプラインにはロシアも関心を示しており、ロシアはオムスクからカザフのアタスへのパイプラインによる原油輸送を始めた。

 【中国~カザフスタン間の石油パイプラインが着工】
カザフスタンのアタスから中国新疆ウイグル自治区の阿拉山口までを結ぶ中国~カザフスタン間の石油パイプライン敷設工事が2004年9月28日に着工する。パイプラインの全長は約1,000km。敷設工事は、中国石油天然気集団公司とカザフスタンの国営石油天然ガス会社が共同で請け負う。第1期工事にかかる費用は7億ドル。完成は2005年の予定、年間1,000万トンの石油輸送能力が見込まれる。第2期工事は2011年の完成予定。完成後、カザフスタンから中国への石油輸送能力は年間2,000万トンに拡大する。

 ≪2005年段階≫

 【中国ーカザフ石油パイプライン、中国側でも着工】
         
 カザフスタンの西部の都市アティラウから中国新疆ウイグル自治区の阿拉山口までを結ぶ中国・カザフ石油パイプラインの新疆ウイグル自治区部分が2005年3月23日、同自治区精河県で着工した。カザフスタン側はこれより前に、アタスから阿拉山口までのパイプラインの工事に着工している。パイプラインは全長3,000km余り、カザフスタン国内部分が2,800km、中国側部分が240km。投資総額は30億ドル。建設計画によると、アタスから阿拉山口までのパイプライン(約1,000km)は2005年12月中旬に開通予定(地図参照)。年間1,000万トンの石油輸送能力が見込まれる。全線完成後には、カザフスタンから中国への石油輸送能力は年間2,000万トンに拡大する。石油輸入を担当する新疆独山子石化公司は、パイプライン建設と並行して、石油精製工場(1,000万トン規模)とエチレン工場(120万トン規模)の建設を進めている。

 中国~カザフスタン、石油パイプライン・第1期工事連結

  中国とカザフスタンを結ぶ石油パイプラインの第1期工事の本体接続工事(約1,000km)が2005年11月14日、中国側・新疆ウイグル自治区の阿拉山口で連結された(写真参照)。パイプの直径は813mm、年間輸送能力は2,000万トン。
 ≪2007年段階≫
 中国とカザフが石油・ガスのパイプライン建設合意

 中国の胡錦濤国家主席は2007年8月18日、訪問中のカザフスタンで同国のナザルバエフ大統領と会談、両国を結ぶ石油輸送網の延長と新たなガスパイプラインの建設で合意した。胡主席は中ロと中央アジア4ヵ国の結束を掲げた上海協力機構(SCO)の首脳会議後にカザフを訪問。独自のエネルギー外交を展開している。合意したのはカザフ中部のクムコル油田とケンキャク油田をつなぐ石油パイプラインの建設。両国間には2005年にアタスと中国・新疆ウイグル自治区の阿拉山口を結ぶパイプラインが開通しており、ナザルバエフ大統領は「今回の合意でカスピ海と中国西部が連結されることになる」と強調した。カザフ経由でトルクメニスタンと中国を結ぶガスパイプラインの建設でも合意した。ーー(「日本経済新聞」、2007年8月19日)
 (参照サイト):「中国~カザフスタン間の石油パイプラインが建設着工」(出所:「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」HPより)
 ≪2009年段階≫
 中国と中央アジア結ぶ天然ガスパイプライン、操業を開始

 中央アジアのトルクメニスタンと中国を結ぶ天然ガスのパイプラインが2009年12月14日、操業を開始した。中央アジアのガスを中国に供給する初の基幹パイプラインとなる。中国はカザフスタンからの原油輸入も拡大し、エネルギー分野で中央アジアとの関係強化を進める。中央アジア諸国にとっては、これまでロシアに限られていた輸出ルートを多角化し、価格交渉力を高める狙いがある。トルクメニスタンでの開通式典には中央アジア歴訪中の中国の胡錦濤国家主席と中央アジア3ヵ国の首脳が参加した。インタファクス通信などによると、胡主席は「パイプラインは中国と中央アジアの協力の象徴」と述べた。パイプラインはウズベキスタン、カザフスタンを通過。中国までの全長は約1800km。中国は建設中の国内パイプラインで沿岸部まで輸送する。輸送能力は年400億m3。(「日本経済新聞」、2009年12月15日)

インド・ダイヤモンド鉱床と「小公女」物語

インド・ダイヤモンド鉱床と「小公女」物語

クリスマスシーズンになると活気付くダイヤモンド市場についてのリポート。
バーネット女史「小公女」ではインドダイヤモンド鉱山の物語が背景になっている。このダイヤモンド市場は007「ダイヤモンドは永遠に」でデビアスのシンジケートの実情が一部明らかにされているが、人工的に吊上げた国際市場で日本だけが一人高の状況である。以下、見てみよう。

*バーネット 「小公女」日本ではアニメーション化され、タイトル「小公女セーラ」 登場人物紹介
(あらすじ)
ダイヤモンド鉱山。インドにわたったセーラの父クルー大尉が、その採掘に命を賭ける。手紙の中に、このことばを見つけたセーラは「まるでアラビアンナイトみたい」とドキドキしてしまう。地面の中の迷宮のような道を想像してみる。壁にも屋根にも天井にも、キラキラした宝石がちりばめられていて、大勢の坑夫が重いつるはしで、その光る石を掘り出している・・・
しかし、ダイヤモンド鉱山はなかなか見つからず、やさしい父は、失意のうちに遠いインドで命を落としてしまいました。
それから2年ほどして、父の友人がセーラを探し出します。ダイヤモンド鉱山が見つかり、セーラには莫大な財産のあることを伝えるために。
(時代背景)
産業革命期に書かれた本作品で、登場する人物像に当時の仕事、民族の持つ社会階層が表現され、興味深い。
浮き沈み激しい主人公の父は、インドでダイヤモンド鉱山経営(鉱山業は富の象徴)
誇り高い女性の生き方を象徴するマリーアントワネットの贅沢さに憧れる市民層(貧富さの拡大)
富を目当てに近づき人を騙す弁護士(ブローカーの社会暗躍)
イギリスへインドから連れてこられた英語を話せない召使(言葉による主従コミュニケーションは当時は不要、家畜の様に命令だけ。奴隷制の現実)

セーラ・クルー
 主人公の女の子。インドで生まれてロンドンに留学に来た。誰とでも分け隔てなく親切にする事ができ、学院の人気者であった。無一文になった後も「マリー・アントワネット」のように誇りを失わずに生きようと決心する。
ラルフ・クルー
 セーラのお父様でイギリス人。インドで鉱山を経営していたがダイヤモンド鉱山を発見したという噂が流れた途端、熱病で急死してしまう。
マリア・ミンチン(声・中西妙子)
 ミンチン女子学院の院長先生。金の事しか頭になく、大金持の娘であるセーラに寄付してほしいばかりにゴマをするが、セーラが無一文になった途端、手のひら返したようにセーラをこき使い、またいじめる。

バロー・アンド・スキップワス
 ラルフの雇った弁護士。セーラがロンドンで留学する手続きを取ってくれるが、セーラが無一文になったとわかった途端に、セーラの家財道具一式をすべて取り上げてしまう。

ラビニア・ハーバート
 ミンチン女子学院で学んでいる生徒。セーラよりも3つ年上。お父さんがアメリカで油田を経営しておりミンチン女子学院の代表生徒でもある。自分より裕福で恵まれている環境にあるセーラが憎くてたまらず、セーラが無一文になるとここぞとばかりにいじめたおす。
アーメンガード・セントジョン
 ミンチン女子学院で学んでいる生徒。何をやってもドジでいつもラビニアたちからいじめられている。セーラがとても親切にしてくれたので、セーラが無一文になってもセーラの事を励まし続ける。お父さんは大学の教授をしており、いつもプレゼントは本と決まっている。

ラムダス
 クリスフォードがインドから連れて来た召し使い。インド人の召し使いの中では唯一英語が話せる。とても親切でセーラと仲良くなった後、何かとセーラの事を気にかける。
トム・クリスフォード
 ラルフの親友でインドで一緒に鉱山を経営していたがラルフと共に熱病にかかってしまい、ラルフは死んで自分は生き残ってイギリスに帰って来るが心の病気を持ってしまった。ラルフの一人娘の事を思っていつも心を痛めている。


(インドのダイヤモンド鉱床)インドの鉱山は川床砂礫(二次鉱床)で、その中から収集、初期のダイヤには今ほどの価値はなかったようで、1475年、ベルギーのルドウィグ・ヴァン・ベルケムが現代に通ずる研磨法を発明してから貴重視されるようになる。
それまではエメラルドが宝石の王様だった。コ・イ・ヌールやホープダイヤモンドはインド産。
所在 : Madhya Pradesh
(マディヤ・プラデーシュ州)
産物 : ダイヤモンド
権益 比率 NMDC 100%
Majhgawan鉱山はインド中央部の州であるマディヤ・プラデーシュ州北東部にあるダイヤモンド鉱山。
インドの国営企業NMDCが所有。
Majhgawanダイヤモンド鉱山は2007年には約1700カラットのダイヤモンドを生産しており、2008年は生産を行っていない。

(ダイヤモンド市場とメジャー進出:引用)
「リオティントは西オーストラリア州の「アーガイル鉱山」の拡大に830m$を投資、
11年前半から拡張工事に着手、現在の露天掘りを,13年から地下採掘に切り替える、鉱山寿命は19年に延びる、
デ・ビアス.オッペンハイマー会長は”独占は全員の利益である”と宣言した、この言葉はダイアモンドに関する限り、永遠に真実である。
インドと中国を中心とするアジアのダイアモンド市場の台頭がダイヤモンド産業を新しい成長産業に転換するという見通しが生まれ、石炭、鉄鉱石、金、チタン、銅、アルミニウムなど資源関連で世界最大級である、ダイヤモンド後発の、リオティントとBHPの2社をダイアモンド・ビジネスへの積極的な投資へ駆り立てている。
(アーガイル鉱山のキャリア)
 1996年6月、生産量では世界の40%の年間4000万カラットを生産するオーストラリアのアーガイル鉱山がデ・ビアスを通さず,全量を自前で販売する旨宣言した。
アーガイル鉱山産のダイアモンドは平均0.1カラットと小粒で,しかも95%が工業用に分類され、原石の平均単価はカラット当たり8~9ドルという低品位の原石である。
(ただし、一万個に一個の割合で,世界の80%を占めるピンクのダイアモンドを産する。) 
つまり、アントワープやニューヨークなど,先進国のカッティングセンターでは加工しても採算の合わない,したがって従来は宝石用には用いられなかったものである。
ところがアーガイル鉱山は原石の大半を宝石用として直接インドに売ることが出来た。
 1980年代以降、1時間当たりの平均賃金が4セントという低賃金を武器に、インドのダイアモンド研磨産業は急速な発展を遂げた。現在では世界のダイアモンド研磨の個数で80%,重量で70%、金額でも40%と圧倒的な地位を築くに至った。その原動力となったのがかつては工業用に回されていたアーガイル産の低品質の原石の宝石用途への研磨加工であった。
原石はかつてはおよそ20%が宝石用,残りが工業用と分類されてきたが,それは必ずしも原石の質だけの問題ではなく,あくまでも採算を基準にした分類であった。
 現在では原石は、20%の宝石用と40%の準宝石質(カット可能)と残りの工業用途の3種に分類されている。即ち低賃金のインドでのダイアモンド研磨産業の発展によりダイアモンド原石の宝石用途への比率を拡大し、宝石ダイアモンドの供給を急増させたのだ。
 デビアスは、2000/9月に,アーガイル鉱山の38%を有するアシュトン鉱業に対し5.13億豪ドル(約308億円)での買収を仕掛けたのだ。
アーガイル鉱山の最大手株主であるRTZ:リオティント(58%所有)は直ちに6億豪ドル(約370億円)の提示で対抗した。しかし10月初旬デ・ビアスは新たに買収金額を45%増の7.45億豪ドル(約447億円)に引き上げた。 
結局RTZは対抗しきれず、10月11日アシュトン鉱業はデ・ビアスの傘下に入ることとなった。 デ・ビアス社は現在約40億ドル相当のダイアモンド原石在庫を持っていると考えられる。またほぼ同じ金額の預金があると見られる。そのおよそ10%を取り崩してまでアシュトン鉱業を支配しようとする目的は何だろうか
 
BHP(Broken Hill Pty)も同じカナダ北極地域にその名も現地語で獣脂湖を意味するEkatiダイアモンド鉱山の開発にいち早く成功し、1998年、年産200万カラットの生産量にて世界のダイアモンド・ビジネスに参入してきた。 2000年以降は生産を倍増し、以後25年間で1億カラットの出荷を見こんでいる。
この鉱山の原石も平均単価が84ドルとかなりの高品位である、
2002年10月初旬、BHPはしかしEkati鉱山産ダイアモンドのデ・ビアスへの供給契約を年末で打ち切ることにしたと発表した。3年間の販売経験を経て、370万カラットに達している年間生産量の全量を自力で販売する流通網が確立出来た為である。予想された事態であり新聞記事で強調されるような”"デ・ビアスのダイア価格形成力に打撃”などありはしない。デ・ビアスの市場シェアと利益がほんの少し低下し、BHPグループの利益が直接販売する分だけ増えるだけである。
デ・ビアスを持ち株会社のひとつとするアングロ・アメリカンは世界最大の金鉱山を持ち,さらにその傘下アムプラッツ及び資本提携関係にあるロンローと合わせて白金でも世界の過半数を支配している。デ・ビアスグループは、カナダ北極圏、ロシアのアルハンゲリスク地区に単独あるいはロシア政府との合弁等で,それぞれ1000億円近い資金を投下して調査、探鉱と開発とが進行中。

ダイアモンドの需要と供給のバランスは長期的には供給不足になることが明らかだ。
中国とインドの市場とが立ち上がれば,現在の年間1億カラットの生産では明らかに品不足になる。
21世紀の世界のダイアモンド生産の展望については、まず、現在稼動中の鉱山の多くは鉱脈が枯渇して生産が減って行く。ダイアモンド鉱山の寿命は平均して20~30年程度である。
アフリカや、新たに探鉱や開発が進行中のカナダやアルハンゲリスクで等の鉱山の生産とが全て順調に行ったとしても,現在の年間1億カラットの生産水準が減る事はあっても超える事はないと予測されている。 品位の高いアフリカ各地の鉱山を持ち、高品位の原石の50%を押さえるデ・ビアスが今後も市場の価格支配権を維持し続けることも確かである。
http://blog.goo.ne.jp/thinklive/e/c70310dcf9f6a3a6ecafc86b7efe814aTHINKING LIVE シンキングライブ
経済情報サイト 矢野雅雄氏運営よりこの部分引用

2010年12月19日日曜日

香港ハンセン市場上場:石油株一覧

香港ハンセン市場上場:石油株一覧

証券コード
通用略称
現在値2010/12/17
前日比
騰落率
出来高
売買代金
933
光匯石油
3.37
0.17
5.31%
10709
35388
467
聯合能源
1.65
0.06
3.77%
63479
105313
346
中聯能源
0.69
0.02
2.99%
28430
19086
1938
珠江鋼管
3.58
0.1
2.87%
462
1640
934
中石化冠徳
4.85
0.13
2.75%
738
3569
91
駿新能源
0.093
0.002
2.20%
178282
16761
850
中亜能源
0.53
0.01
1.92%
12200
6408
554
漢思能源
0.275
0.005
1.85%
12
3
1555
MI能源
1.7
0.03
1.80%
44227
76255
206
TSC海洋
2.15
0.03
1.42%
1017
2192
1192
泰山石化
0.73
0.01
1.39%
18940
13610
603
中油燃気
0.9
0.01
1.12%
10600
9426
702
中国油気
0.49
0.005
1.03%
109220
53439
1080
勝利管道
1.5
0.01
0.67%
5408
8107
839
天大石油管材
3.35
0.01
0.30%
283
945
196
宏華集団
1.16
0
0.00%
1244
1443
342
新海能源
1.67
0
0.00%
3990
6685
689
長盈集団
0.073
0
0.00%

0
852
海峡石油化工
1.35
0
0.00%

0
857
中国石油天然気
9.64
0
0.00%
77272
747816














証券コード
通用略称
現在値
前日比
騰落率
出来高
売買代金
2883
中海油田服務
15.64
0
0.00%
6214
96413
3337
安東油田服務
0.79
0
0.00%
580
460
568
墨龍石油機械
9.54
-0.04
-0.42%
182
1719
883
中国海洋石油
17.62
-0.08
-0.45%
73158
1294186
386
中国石油化工
7.08
-0.04
-0.56%
110042
774796
135
昆侖能源
11.86
-0.1
-0.84%
18031
215703
3303
巨濤海洋石油
1.18
-0.01
-0.84%
992
1172
3899
中集安瑞科
3.5
-0.03
-0.85%
300
1063
8011
百田石油
0.099
-0.003
-2.94%
3570
360
93
添利工業
0.89
-0.03
-3.26%
144
130
260
中油潔能
0.315
-0.015
-4.55%
5230
1653
1102
環能国際
0.365
-0.025
-6.41%
7094
2661